遠方にある、老朽化している、兄弟で共有になっている——相続した家 いらないと感じる理由はさまざまですが、売却を含めた手放し方は実は5つに整理できます。神奈川県内でも、相続した実家を「売却もせず持て余したまま固定資産税だけ払い続ける」家庭は少なくありません。
結論:相続した家を手放す方法は「①売却(仲介)②買取③相続放棄④相続土地国庫帰属制度⑤寄付・空き家バンク」の5つです。建物が残っている家を手放せる可能性が高いのは、実務上ほぼ売却か買取で、国庫帰属は建物のある土地が対象外、放棄は家だけを選んで放棄できません。まず名義と期限を確認し、現況のまま査定を取って「いくらで・いつ売却できるか」を見てから決めるのが近道です。
相続した家 いらないと思ったら最初に確認する3つ
この章では、相続した家 いらないと感じたときに、方法を選ぶ前に確認しておく3つの前提を整理します。
- ①相続の手続きはどこまで進んでいるか:まだ相続放棄ができる段階(自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内)か、すでに相続を承認した後かで、選べる方法が変わります
- ②名義は誰か:亡くなった方の名義のままでは売却できません。相続土地国庫帰属制度は相続登記が未了でも申請できますが(相続を証する書面の添付が必要)、相続登記自体は2024年4月から申請が義務化されており、取得を知った日から3年以内の申請が必要です(法務省)
- ③その家は事故物件に当たるか:家の中で人が亡くなり特殊清掃等が行われた場合などは、売買で告知の対象になります。売却方法の選択肢が変わるため、先に整理しておきます(事故物件の告知義務の解説)
この3つを押さえると、「まだ放棄できるのか」「売れる名義になっているか」「告知が必要な家か」がはっきりし、5つの選択肢のうち現実的なものが絞れます。神奈川県内の相続でも、この順番は同じです。
この章のポイント:相続した家 いらないと感じたら、手続きの段階・名義・事故物件かどうかの3点を先に確認。売却を含め、選べる方法がここで決まります。
相続した家 いらないときの選択肢5つ【条件・費用・期間を比較】
この章では、相続した家 いらないときに取りうる5つの選択肢を、売却まで含めて条件・費用・期間の観点で比べます。
| 方法 | 使える条件 | 費用の出方 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| ①売却(仲介) | 買い手がつく立地・状態。相続登記が済んでいること | 仲介手数料(法定上限内)・片づけは売主負担が一般的 | 買い手が見つかるまで。数か月単位になることも |
| ②買取 | 業者が引き取れる物件。相続登記が済んでいること | 仲介手数料は原則不要。残置物ごと引き取る業者なら片づけ費用が査定に織り込まれる | 買い手探しがないぶん売却が短期間で完了しやすい |
| ③相続放棄 | 自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内。家だけを選んで放棄することはできない | 家庭裁判所の手続き費用。放棄後も占有していれば保存義務が残る | 申述後、受理まで |
| ④相続土地国庫帰属制度 | 相続で取得した土地。建物がある土地は対象外・境界不明や担保付きは却下 | 審査手数料1筆14,000円+10年分の管理費相当の負担金 | 法務局の審査期間 |
| ⑤寄付・空き家バンク | 受け入れ先(自治体・法人・個人)があること | 登録は無料の自治体が多いが、売却の成立は買い手しだい | 相手が見つかるまで不定 |
表のとおり、建物が残っている家を手放せる可能性が高い手段は、実務上①売却か②買取です。ただし仲介は買い手が現れなければ成立せず、買取も業者が引き取れる物件であることが前提です。④は建物を解体して更地にした土地が前提で、③は「家だけ手放して預貯金は相続する」という選び方ができません。⑤は自治体が寄付を受け入れる例は限られ、空き家バンクも登録すれば売れるわけではありません。神奈川県内で相続した家を早く売却したいなら、まず①②の査定で「いくらで・いつ」を確認するのが出発点です。
この章のポイント:相続した家 いらないときの現実的な選択肢は売却と買取。放棄と国庫帰属は条件が厳しく、寄付・バンクは相手しだいです。神奈川県内でも同じです。
相続放棄で「相続した家 いらない」は解決できるか
この章では、相続した家 いらないという悩みを相続放棄で解決できるのか、条件と注意点を解説します。神奈川県内の家庭裁判所でも手続きは共通です。
相続放棄は、家庭裁判所への申述によって初めから相続人でなかったことになる手続きで、期限は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月です(裁判所)。放棄すれば相続した家の負担からは離れられますが、注意点が3つあります。
- 家だけを放棄することはできない:預貯金などプラスの財産も含めた相続全体が対象です。「いらない家だけ手放したい」には向きません
- 放棄の判断前に処分に手を付けない:家財の処分や売却に着手すると相続を承認したとみなされ(法定単純承認)、放棄できなくなるおそれがあります。査定の依頼だけであれば、一般に処分には当たらないと考えられています(ただし法定単純承認に当たるかは個別の事情で判断されるため、放棄を検討中なら着手前に弁護士・司法書士に確認してください)
- 放棄後も保存義務が残ることがある:放棄の時点で相続した家に住んでいる・占有している場合、他の相続人などに引き渡すまでは自分の財産と同じ注意で保存する義務があります(民法940条・2023年4月改正)。放棄すれば管理から即座に自由になるとは限りません
放棄を考えているなら、3か月の期限内に「家の売却査定額」と「相続財産全体」を並べて判断してください。相続放棄で事故物件だけを手放せるかという論点を含め、期限と手順は相続した事故物件の解説で扱っています。判断に迷う場合は司法書士・弁護士への相談が確実です。
この章のポイント:相続放棄は「相続した家 いらない」の解決策になりうるが、全部放棄・3か月・保存義務の3つの壁があります。神奈川県内でも同様です。
相続土地国庫帰属制度は使えるか【建物がある家は対象外】
この章では、相続した家 いらないときに検討されることが増えた、相続土地国庫帰属制度の要件を確認します。神奈川県内の土地の申請先は、横浜地方法務局(本局)です。
相続土地国庫帰属制度は、相続や遺贈(相続人に対する遺贈に限ります)で取得した土地を国に引き取ってもらう制度で、2023年(令和5年)4月27日に始まりました(法務省)。ただし、建物がある土地は申請できません。相続した「家」をこの制度で手放すには、先に建物を解体して更地にする必要があり、その解体費用は自己負担です(解体費用の考え方は実家じまいの費用の解説)。
そのほかの主な要件と費用は次のとおりです。
- 担保権や使用収益権が設定されている土地、境界が明らかでない土地、土壌汚染のある土地は申請できない(却下事由)
- 崖があって管理に過分な費用・労力がかかる土地などは不承認になりうる
- 審査手数料は土地1筆あたり14,000円(収入印紙・返還なし)
- 承認されると、国有地の種目ごとに10年分の標準的な管理費用を考慮して算定した負担金を一度に納付する。宅地は区域や面積によって算定方法が変わる
- 申請先は土地の所在地を管轄する法務局・地方法務局の本局
つまりこの制度は「解体費用と負担金を払ってでも土地を手放したい」場合の手段で、売却や買取で値がつく家なら、先にそちらを確認するほうが手取りは残りやすいのが実情です。神奈川県内の宅地は市街地が多く、まず売却の査定で市場性を確かめてから制度の検討に進むのが順番として自然です。
この章のポイント:国庫帰属制度は建物付きの家には使えず、解体費と負担金がかかります。相続した家 いらないなら、売却の査定で値がつくかを先に見るのが先です。
想定例:相模原市の相続した家 いらないと感じたBさんの進め方
この章では、相続した家 いらないという状況の整理の仕方を、神奈川県内の想定例で確認します。
想定例
ご家族の事情はプライバシーに深く関わるため、当サイトでは個別の事案を紹介せず、制度の理解に役立つ想定例として説明します。
相模原市緑区の戸建てを兄と2人で相続したBさん。Bさんは県外在住で、家財が残ったまま2年が経ち、固定資産税と草刈りの手配だけが続いている。兄は「解体して土地だけ持っておきたい」、Bさんは「相続した家 いらないので早く売却したい」と意見が割れている。
整理の順番:①相続登記が済んでいるかを確認(済んでいなければ3年以内の申請義務がある) ②共有名義の家は全体の売却に共有者全員の同意が必要なので、まず現況のまま仲介と買取の売却査定を取り、金額を兄と共有する ③兄の案(解体して保有)については、相模原市に空き家の除却費補助や家財処分補助の事業があることを確認しつつ、解体後も固定資産税と管理が続く点を並べる ④国庫帰属制度は建物を解体しなければ申請できず、負担金もかかるため、売却査定額と比べて判断する ⑤話し合いがまとまらなければ、司法書士・弁護士に相談する。
この実家で過去に人が亡くなり特殊清掃が行われていた場合は、売買で告知の対象になる事故物件です。その場合も順番は同じで、清掃や解体を先に発注する前に、事故物件のまま買取の査定を取っておくと、兄との話し合いに具体的な数字を持ち込めます。
この章のポイント:相続した家 いらないという気持ちと、共有者の意向は売却の査定額を挟むと話が進みます。神奈川県内の他の市でも順番は同じです。
相続した家が事故物件の場合の手放し方
この章では、相続した家 いらない理由が「家の中で人が亡くなった」ことにある場合の、売却を含めた手放し方を解説します。神奈川県内でも身近なケースです。
家の中で人が亡くなり、特殊清掃等が行われた場合などは、その家は売買で告知の対象になる事故物件です(自然死でも特殊清掃等が行われた場合は告知対象。事故物件の告知義務の解説)。相続した事故物件を売却する場合、仲介で買い手を探す方法と、事故物件に対応する専門買取業者に現況のまま売却する方法の2つが実務上の中心です(事故物件の売り方比較の解説)。
専門買取は、特殊清掃や残置物の処分が済んでいない状態でも相談でき、清掃・処分の費用を先に払わずに売却できる場合があります。事故物件の価格に公的な目安はなく、複数の査定で根拠を比べるしかありません(事故物件の価格の解説)。神奈川県内には事故物件を専門に扱う買取業者の拠点もあるため、「いらない」と決める前に、事故物件のまま買取の査定額を確認するのが現実的な一歩です。
この章のポイント:神奈川県内で相続した家が事故物件でも、売却の道は仲介と専門買取の2つ。清掃前に現況のまま査定を取るのが先です。
神奈川県で相続した家 いらないときの相談先と補助制度
この章では、神奈川県内で相続した家 いらないときに使える相談窓口と、市の補助制度を紹介します。
神奈川県は、かながわ住まいまちづくり協会による空き家の相談窓口や市町村の窓口一覧を案内しており、「空き家にしない『わが家』の終活ノート」という啓発資料も公開しています(神奈川県の事故物件売却ガイド)。相続した家の売却や手放し方に関わる市の制度としては、次のような例があります。要件・予算・受付状況は年度で変わるため、最新の情報は必ず市の公式サイトで確認してください(いずれも2026年8月時点。各市の詳細と一次ソースは市ページに記載)。
- 横浜市:「空家のこれから相談窓口」で処分・活用の相談から業者のマッチングまで伴走支援を受けられます(横浜市のガイド)
- 相模原市:空き家の除却費補助金・家財処分補助金の事業と、空き家バンクがあります(相模原市のガイド)
- 藤沢市:宅地建物取引士による無料の不動産・空家相談(予約制)と、空家バンク・マッチング制度があります(藤沢市のガイド)
- 横須賀市:流通が難しい谷戸地域向けの空き家バンクなど、売りにくい家を動かす仕組みがあります(横須賀市のガイド)
売却の意思が固まっているなら、神奈川県内の事故物件・訳あり物件に対応する専門買取業者の無料査定で金額を確認してから決める方法もあります。相続した家の所在地に近い市のページから、相談先の全体像を確認してください。
この章のポイント:神奈川県内には、相続した家 いらないときに使える窓口・バンク・補助が市ごとにあります。売却の査定と並行して確認できます。
まとめ:相続した家 いらないなら「査定で値を見てから」方法を選ぶ
最後に、相続した家 いらないときの考え方を3つに整理します。
- ① 選択肢は5つ、現実的なのは2つ:売却・買取・放棄・国庫帰属・寄付。建物が残る家を手放せる可能性が高いのは売却か買取
- ② 放棄と国庫帰属は条件が厳しい:放棄は全部放棄・3か月・保存義務、国庫帰属は建物のある土地が対象外(神奈川県内でも同じ)
- ③ 順番は名義→査定→方法の決定:現況のまま仲介と買取の売却査定を取り、共有者と金額を共有してから決める
「いらない」という気持ちだけで放棄や解体に進むと、手取りを減らしたり、後から選択肢を失ったりしがちです。相続した家に値がつくかを査定で確かめてから、売却するかどうかを含めて方法を選ぶところから始めてください。神奈川県内の相談先は神奈川県の事故物件売却ガイドにまとめています。
この作業が相続全体のどこに位置するかは、相続した事故物件の時系列マップで確認できます。
出典・参考(公的情報)
- 法務省「相続土地国庫帰属制度について」(制度開始・却下事由・審査手数料)(2026年8月時点)
- 法務省「相続土地国庫帰属制度の負担金」(2026年8月時点)
- 法務省「相続土地国庫帰属制度に関するQ&A」(相続登記未了でも申請可)(2026年8月時点)
- 法務省「相続登記の申請義務化について」(2026年8月時点)
- 裁判所「相続の放棄の申述」(2026年8月時点)
- e-Gov法令検索「民法」第940条(相続の放棄をした者による管理)(2026年8月時点)
- 国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(令和3年10月)(2026年8月時点)